新作小説『見えない炎の行方』── 命の意味を問い直すダーク・ファンタジーが誕生

その「炎」は、救済か、それとも呪いか。

こんにちは、静馬望です。

この度、新作小説『見えない炎の行方』をKindleにて発表させていただきました。今回は、これまでにない重厚なテーマに挑戦した作品について、執筆の想いとともにご紹介させていただきます。

主人公ジャックは、絶望の淵で死神と契約を交わします。得られた力は「命の炎」を見ること──人の命の残り時間が炎として見えるようになるのです。

しかし、この力には恐ろしい代償が伴います。人を救うたびに、自分の記憶が、存在そのものが、少しずつ失われていくのです。

「救う者が救われない」

この残酷な皮肉こそが、本作の中核をなすテーマです。

現代社会を生きる私たちは、しばしば「生きる意味」について悩みます。特に困難な状況に直面したとき、自分の存在価値を見失ってしまうことがあります。

ジャックの物語は、極限状況における人間の選択を描いています。自分を犠牲にしてでも他者を救うのか、それとも自分を守るために目を逸らすのか。

誰もが心の奥底で抱える葛藤を、ファンタジーという装いを借りて描きました。

本作の舞台は、現実と幻想の境界が曖昧になった町です。ジャックが見る「命の炎」は果たして現実なのか、それとも彼の心が作り出した幻なのか。

読み進めるうちに、読者の皆さんも現実認識が揺らぐような体験をしていただけるはずです。

「君の炎は、もう随分と小さくなったね」

死神の声が耳元で囁く。ジャックは振り返らない。目の前で息絶えそうな子供の炎を見つめたまま、静かに手を差し伸べる。

自分が消えても、この子は生きなければならない。

決して軽やかな物語ではありません。しかし、最後まで読んでいただいた時、きっと「生きること」の尊さを改めて感じていただけると確信しています。

この作品を書き上げるまでに、多くの時間を要しました。ジャックの心境を理解し、彼の選択に説得力を持たせるために、何度も推敲を重ねました。

特に「記憶を失っていく」という設定の描写には苦心しました。読者の皆さんにも、ジャックと一緒に混乱し、一緒に真実を探していただけるような構成を心がけました。

『見えない炎の行方』は、エンターテインメントであると同時に、読者の皆さんに深い問いかけを投げかける作品です。

ジャックが最後に選ぶ「命の行方」を、ぜひご自身の目で確かめてください。

タイトル： 見えない炎の行方
著者： 静馬望
ジャンル： ダーク・ファンタジー
テーマ： 生と死、救済の意味、存在の価値

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